TPM(Trusted Platform Module)

暗号処理専用のセキュアなマイクロコントローラ(ハードウェアの「信頼の起点」)。Trusted Computing Group(TCG)が策定する仕様で、国際標準ISO/IEC 11889にもなっている。

主な機能

  • 鍵の生成・保管・利用制限 — TPM内で生成した鍵をTPM外に持ち出せない形で保持できる。フィッシングでの鍵窃取対策になる。
  • プラットフォーム完全性の測定 — ブート時にファームウェア・OSコンポーネントを測定し、PCR(Platform Configuration Register)に記録する。Secure Bootなどの検証に使われる。
  • デバイス認証 — チップに焼き込まれた固有のRSA鍵によりデバイスを認証。
  • 辞書攻撃対策 — 認証値の試行回数が多いとロックがかかる仕組みを内蔵。

TPM 2.0とTPM 1.2の違い

  • アルゴリズムアジリティ — TPM 1.2はSHA-1決め打ちだったが、TPM 2.0はSHA-1に加えSHA-256が必須になり、RSAだけでなくECC(NIST P-256、Barreto-Naehrig 256bit曲線)にも対応。将来的なアルゴリズム追加にも対応できる設計。
  • 複数の鍵・アルゴリズムをサポート — TPM 1.2はSRK(Storage Root Key)がRSA-2048固定だったのに対し、TPM 2.0は階層(hierarchy)ごとに複数の鍵・アルゴリズムを持てる。
  • PCRバンク — PCRがハッシュアルゴリズムごとに「バンク」として分離され、TPM2_PCR_Allocateコマンドで柔軟に構成できるようになった(仕様上はSHA1/SHA256が必須アルゴリズム)。
  • ライブラリ仕様化 — TPM 2.0の仕様自体は「ライブラリ仕様」で、将来のプラットフォーム別仕様のベースとなる共通のコマンド・機能セットを定義している。

WindowsではTPM 2.0はUEFIファームウェアが前提(レガシーBIOS+TPM 2.0の組み合わせは正しく動作しない)で、Windows 11の必須要件の一つにもなっている。

仮想化環境での実装

crosvmなどのVMMは、virtio-TPMデバイスとしてゲストにTPM機能を提供できる。

出典

#security

作成日時: 2026-08-17 18:19 / 更新日時: 2026-08-17 18:19