今治タオル
愛媛県今治市が日本最大の産地となっているタオルブランド。地理的要因・歴史的経緯・ブランド戦略の3つが重なって現在の地位を築いている。
地理的要因(水と気候)
- 石鎚山系の高縄山系を源流とする蒼社川の伏流水に恵まれており、不純物が少ない軟水のため、綿の白度を安定させ、綿本来の柔らかさを引き出せる。
- 瀬戸内海に面し晴天が多く穏やかな気候で、タオル生産に適した環境。
- 江戸時代から綿業・織物業の産地としての基盤があり、藩もこれを奨励していた。
歴史
- 1894年(明治27年)、阿部平助が大阪・泉州でタオル製造を学び、今治で国内初のタオル製造を開始した。「今治タオルの父」と呼ばれる。
- 1960年、今治発祥の「タオルケット」が大ヒットし、大阪を抜いて生産量日本一の産地になった。
産地崩壊の危機とブランド化による復活
1980年代後半以降、中国製の安価なタオルの輸入が激増し、バブル崩壊も重なって今治の生産は壊滅的な打撃を受けた。全盛期500社以上あったメーカーが230社まで減少した。
危機感を持った業界が今治商工会議所・四国タオル工業組合・今治市と連携し、国の「JAPANブランド育成支援事業」の認定を受けてブランディングプロジェクトを開始。2006年、クリエイティブディレクターに佐藤可士和を起用し、赤・青・白で「i」を象ったロゴを制定した。
吸水力の「5秒ルール」を含む全12項目の品質基準をクリアした製品だけがブランドロゴを使用できる認定制度を構築し、産地全体で品質を担保しながら「高品質の証」としてブランド価値を再構築した。