IPAdic

日本語形態素解析用の辞書。「IPA辞書」とも呼ばれる。MeCabで読み込める形式にしたものは特にmecab-ipadicと呼ばれ、Linderaなど後発の解析器でも標準辞書の一つとして採用されている。ChaSenやMeCabの標準辞書として広く使われ、2021年時点で日本の形態素解析辞書として最も普及していると推測されている。 #nlp

成り立ち

ICOT(新世代コンピュータ技術開発機構)のフリーソフトウェアとして提供されていた形態素解析辞書がルーツ。名称の由来は、開発時に奈良先端科学技術大学院大学で用いられた「IPA品詞体系」とされる。

  1. ICOT版 — 官民出資の研究機関ICOTによる原初の形態素解析辞書
  2. ChaSenへの統合 — ChaSen用の辞書として同梱される形で発展
  3. IPAdicとしての独立 — 単体の辞書としてリリース(現在「IPAdic legacy」と呼ばれる版)
  4. NAIST-jdicへの移行 — ライセンスを整理した後継版

1995年から2003年にかけて、品詞分類・読み情報・固有名詞の拡充により、収録語数は約148,157語から約30万語へと増加した。当初のICOTのライセンス条件は配布に制約があったため、2004〜2006年にかけて権利関係の検証作業が行われ、2008年にICOTの制約を取り除いたmodified BSD LicenseでNAIST-jdicとしてリリースされた。NAIST-jdicはChaSen・MeCabの双方に対応する、現在も保守されている後継版にあたる。

IPA品詞体系

IPAdicが採用する品詞体系(IPA品詞体系)は、学校文法とは分類が異なる点がある。例えば形容動詞というカテゴリを持たず、代わりに名詞のサブカテゴリとして「形容動詞語幹」を持つ、といった特徴がある。

弱点と派生辞書

IPAdic自体は新語・固有名詞の追加更新が止まっており、この弱点を補うために、Web上の言語資源から新語・固有表現を抽出して追加収録するmecab-ipadic-NEologdが派生辞書として作られた。

出典

作成日時: 2026-08-19 00:50 / 更新日時: 2026-08-19 00:50