Sovereign Agent Mesh (SAM)
Googleが公開している、自律型AIエージェント向けのゼロコンフィグ・ゼロトラストなP2Pネットワーク基盤(Apache-2.0)。リポジトリはgoogle/sam。README上で「公式にサポートされたGoogleプロダクトではない」と明記されている。
解決しようとしている課題
AIエージェントは、クラウドサーバー・オンプレのデータセンター・ノートPC・Raspberry Pi・Androidデバイスなど、バラバラの場所で動くようになっている。これらの間でツール(MCPサーバーなど)を共有しようとすると、従来はローカルスクリプトやLLM推論エンドポイント、社内APIをインターネットに公開せざるを得なかった。
SAMはこの課題に対して、「エージェント間のMCPツール共有に特化した、私設VPNに近いゼロトラストP2Pオーバーレイ」というアプローチを取る。
Zero Config / Zero Trust
- Zero Config: 軽量ノード(
sam-node)が自動的にお互いを発見し、NATを越えて自己修復するP2Pネットワークを構築する。手動設定は不要。 - Zero Trust: すべての接続・ノード・パケットが暗号的に認証される。暗号化IDにより、クラウド・ローカル・エッジ環境間でノードがシームレスに移動できる。
アーキテクチャ構成要素
sam-control-plane: ノードのID登録、認可ポリシー、ルーター調整を行うレジストリ制御プレーン。sam-router: libp2pのブートストラップノードとリレー。データプレーンの接続と転送を担当。sam-node: ローカルで動くノードクライアント。メッシュのtransport統合とMCPサイドカールーティングを提供する。
Google Gemini・ClaudeなどのAIエージェントと連携でき、メッシュ全体で動的にツールを発見・呼び出しできる。公開テストネット(bananas.sam-mesh.dev)でクイックスタートでき、本番運用はKubernetes上でプレーンmanifestかsam-mesh Helm chartを使う。
相互接続の具体的なユースケース
- クラウドをまたいだMCPツール共有
- オンプレ⇔クラウドのハイブリッドなエージェント呼び出し
- 推論エンドポイントのブローカリング(複数拠点にあるLLM推論の仲介)
- 資格情報を注入したサンドボックス化エージェント
- Warm Agent Pool(待機中のエージェントをプールしておき、必要な時に即座に呼び出す)
出典
- google/sam - GitHub
- Meet SAM (Sovereign Agent Mesh): A Zero-Config, Zero-Trust P2P Network for AI Agents - MarkTechPost
- sam-mesh.dev