全固体電池

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リチウムイオン電池の液体電解液を固体電解質に置き換えた電池。可燃性の有機溶媒を使わないため、原理的には発火リスクとガス発生(膨張)が抑えられ、リチウム金属負極が使えるようになれば大幅なエネルギー密度向上も見込める。

固体電解質の系統

主に硫化物系・酸化物系・ポリマー系がある。中でも硫化物系はイオン伝導度が高く本命視されているが、扱いが難しい。

  • 水分に極めて弱く、製造には露点-70℃以下といった環境が要求される(水分と反応して硫化水素を出す)
  • リチウム金属に対する界面安定性が十分でない

「固体だからデンドライトが止まる」わけではない

固体電解質にすればリチウムデンドライト(樹枝状の析出)が物理的にブロックされる、という単純な話にはなっていない。リチウムは固体電解質の粒界・空隙・クラックを伝って成長し、セルを短絡させうる。抑えるには材料設計に加えて、緻密化と加圧の精密な制御が必要になる。

界面の電気化学的な不安定性と、スケールする製造プロセスの確立が、商用化を止めている二大要因とされる。

2026年時点の状況

  • EV向けが先行。FactorialとStellantisが実車での路上テストを開始、中国の長安汽車が2026年Q3に全固体電池搭載車の投入を目標にするなど、パイロット/プレコマーシャル段階。本格的な量産は2020年代後半以降の見通し。
  • 民生機器(ウェアラブル、ヒアラブル、スマートフォン)は容量要求が小さく高価格を許容できるため、近い将来の商用化先として有望視されている。
  • 一方でノートPC向けは、シリコン負極と合わせてもパイロットラインの11%程度にとどまり、量産歩留まりは75%未満と言われる段階。ノートPCの電池が全固体に置き換わるのはまだ先。

出典

作成日時: 2026-08-28 14:57 / 更新日時: 2026-08-28 14:57