Cilium

Docker/Kubernetesなどのコンテナプラットフォーム上で、アプリケーションサービス間のネットワーク接続を透過的に保護するオープンソースソフトウェア。土台はeBPFで、Linuxカーネル内で動的にネットワーキング・セキュリティロジックを挿入できるこの技術により、アプリケーションコードやコンテナ設定を変更することなくポリシーの適用・更新ができる。 #networking #kubernetes #security

主な機能

  • ネットワーキング: オーバーレイネットワーク・ネイティブルーティングなど柔軟なルーティングオプションを提供。eBPFベースの分散ロードバランシングにより、従来iptablesベースだったkube-proxyを置き換えられる
  • セキュリティ(Network Policy): IPアドレスへの依存から脱却し、ID・ラベルベースのセキュリティモデルを実現。Kubernetes標準のNetworkPolicy(L3/L4)に加え、CiliumNetworkPolicyとしてL7(HTTPメソッド/パスフィルタ、DNSベースのegress、FQDNポリシー)まで対応する
  • Hubble(Observability): 完全に分散されたネットワーク可視化プラットフォーム。ノードごとにフローをキャプチャし、Hubble relayでクラスタ全体に集約、CLI/UIで閲覧できる。サービス依存関係マップ・HTTPフロー・DNS問題の検出・レイテンシ分析が可能
  • Service Mesh: サイドカーを使わない設計が特徴。L3/L4はeBPFで処理し、L7が必要な場合のみノードレベルのEnvoyを使う。WireGuardやIPsecによる透過的暗号化、SPIFFE/SPIRE連携によるmTLSもサポートする

エコシステムでの位置づけ

CNCFのプロジェクトとして2023年にGraduated(卒業)ステータスに到達している。Google Kubernetes Engine(GKE Autopilot)のデフォルトCNI、Amazon EKSの推奨CNI、Azure AKSの組み込みオプションとして採用されるなど、主要クラウドのマネージドKubernetesに組み込まれている。動作にはLinux 5.4以降が必要(本番運用では5.15以降が推奨)。

出典

作成日時: 2026-08-13 08:33 / 更新日時: 2026-08-14 08:21