文房具の「房」の意味
「文房具」は「文 + 房具」ではなく「文房 + 具」という切り方。「文房」=書斎を指す漢語で、そこに備えておく道具だから「文房具」。 #etymology
つまり「房」は部屋の意味。 #文房具
「文房」=書斎
もともと中国で、文人が詩文や書画を書くための書斎を「文房」と呼んだ。そこに置く道具が「文房具」。
- 日本語での古い用例は『翰林葫蘆集』(1518年頃)の「余寒昨夜入文房、移硯南窓欲向陽」。
- 中国側では『南史』趙知礼伝論などに「文書を司る処、また書斎」の意で見える。
「房」という漢字
形声文字で、意味を表す 戸(とだれ。扉・仕切られた部屋)+ 音を表す 方。もとは母屋の脇にある小部屋を指し、そこから広く「部屋」「部屋状に区切られたもの」へ意味が広がった。
部屋そのものを指す熟語:
- 厨房 — 調理をする部屋
- 冷房 — もとは涼しくした部屋の意
- 独房、官房
「部屋状に区切られたもの」からの派生:
- 心房 — 心臓の中の部屋
- 子房 — 植物の胚珠を包む部屋
- 乳房
別に訓読みの「ふさ」(ぶどうの房、飾りの房)もあるが、こちらは文房具とは別系統。
文房四宝
書斎の道具のうち、筆・墨・硯・紙の4つは宋代以降とくに「文房四宝」(「四友」とも)と呼ばれて珍重された。古代中国では筆洗・筆筒・筆架・水滴・墨台・文鎮・印材・印泥といった小物、さらには文房に置く琴・屏風・書画・陶器などの愛玩品まで含めて文房具と呼んだという。