微分方程式
未知の関数とその導関数(微分)の間の関係を記述した方程式。普通の方程式の解が「数」なのに対し、微分方程式の解は「関数」になる。「変化のルール(変化率)から挙動そのもの(関数)を復元する」問題であり、物理・工学でのモデル記述の基本言語。
例
- 指数増殖 — \frac{dy}{dt} = ky(増加率が現在量に比例)。解は y = Ce^{kt}。人口増加・放射性崩壊・複利
- ニュートンの冷却法則 — \frac{dy}{dt} = k(A - y)(温度差に比例して冷める)
- 減衰振動 — m\frac{d2x}{dt2} + c\frac{dx}{dt} + kx = f(t)。バネ・ダンパー系や RLC 回路がこの形
分類
- 常微分方程式(ODE) — 未知関数が1変数で、通常の導関数だけを含む。1次元の力学系のモデルに多い
- 偏微分方程式(PDE) — 未知関数が多変数で、偏導関数を含む。熱・波動・流体・電磁気・量子力学など、空間的な広がりを持つ系のモデルに多い
- 階数(order) — 含まれる導関数の最高階。上の冷却法則は1階、減衰振動は2階
- 線形/非線形 — 未知関数とその導関数について線形かどうか。線形なら解の重ね合わせが効き、理論が整っている
解き方
- 解析的に解く — 変数分離などの求積法(積分に帰着させる)、ラプラス変換(微分を代数演算に変えて機械的に解く)、フーリエ変換(偏微分方程式向き)など。ただし解析解が求まるのは限られたクラスだけ
- 数値的に解く — オイラー法・ルンゲクッタ法などで数値解を計算する。実務ではこちらが主流