Keras

Googleのソフトウェアエンジニアだった François Chollet が2015年に開発した、Python製の高水準ディープラーニングAPI。OSSとしてkeras-team組織のもとGitHubで開発が続く。 #ai #machine-learning #python

当初はTheano上で動くAPIとして公開され、その後TensorFlowの公式高水準APIとしても採用された。Chollet氏は2024年11月にGoogleを離籍したが、Kerasのロードマップ監督とOSSコミュニティでの開発継続を表明しており、Google側もKeras 3への投資継続を明言している。

Keras 3: マルチバックエンド化

2023年11月にフルリライトされた「Keras 3」が現行世代。TensorFlow専用ではなく、TensorFlow / JAX / PyTorch / OpenVINO(推論専用)の4バックエンドを切り替えて同一のモデルコード(model.py)を動かせるマルチバックエンド設計になった。バックエンドの切り替えは環境変数KERAS_BACKENDを設定するだけでよい。ベンチマークではJAXバックエンドが最速になることが多く、他フレームワーク比で20〜350%の高速化が謳われている。

設計思想は「progressive disclosure of complexity(複雑さの段階的開示)」。高水準のfit()から、必要に応じて各バックエンドネイティブな低水準の学習ループまで、複雑さを必要な分だけ開示できるようにしている。

バージョン・直近の更新(2026年)

  • v3.13.2(2026-01-30): モデルロード時のセキュリティ強化
  • v3.14.0(2026-04-03): Orbaxチェックポイント対応、量子化機能の強化
  • v3.14.1(2026-05-07): セキュリティ・バグ修正
  • v3.15.0(2026-06-24): Keras→PyTorchエクスポート機能、sliding window attention、NaN対応NumPy互換演算子(nanmin/nanmax等)の追加
  • v3.15.1(2026-07-29、最新版): パストラバーサル脆弱性(CVE-2026-11816)の修正、Python 3.14対応

姉妹プロジェクトのkeras-cvは2026年3月10日にアーカイブされ、機能はKeras本体側に統合が進んでいる。

深層学習フレームワークの中での位置づけ

特定の学習エンジンそのものではなく、JAXPyTorchなどをバックエンドとして切り替えて使う高水準APIという位置づけ。

出典

作成日時: 2026-08-20 15:07 / 更新日時: 2026-08-20 15:07