テイラー展開

#math

関数を、1点での微分係数の情報だけを使って多項式(冪級数)で表現する手法。

f(x) = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{f^{(n)}(a)}{n!} (x-a)^n = f(a) + f'(a)(x-a) + \frac{f''(a)}{2!}(x-a)^2 + \cdots

a を中心に展開したものをテイラー級数、特に a = 0 を中心にしたものをマクローリン級数と呼ぶ。

直感 — 接線近似の高次版

微分による一次近似 f(a+h) \approx f(a) + f'(a)h(接線で代用する)の精度を、2次・3次…の項を足して上げていったもの。1次で「傾き」、2次で「曲がり具合」、と高階の導関数が形の情報を順に補っていき、次数を上げるほど元の関数に近づく。

剰余項と収束

有限次で打ち切ったテイラー多項式と元の関数との差が剰余項 R_n(x)。剰余項が n \to \infty で 0 に収束する範囲でのみ、テイラー級数は元の関数に一致する。ex, \sin x, \cos x は全実数で収束する代表例。

e^x = 1 + x + \frac{x^2}{2!} + \frac{x^3}{3!} + \cdots

用途

  • 数値計算 — 関数電卓やライブラリが \sinex を計算する際の基礎(実装では精度最適化した多項式近似が使われるが、発想の原点)
  • 物理の近似 — 「\theta が小さいとき \sin\theta \approx \theta」のような微小量近似は、テイラー展開を1次で打ち切ったもの
  • オイラーの公式e^{ix}, \cos x, \sin x のマクローリン級数を見比べると e^{ix} = \cos x + i \sin x が導ける。フーリエ変換の核 e^{-i\omega t} の背後にある関係式

出典

作成日時: 2026-08-15 08:49 / 更新日時: 2026-08-15 08:49