GNU gold(リンカ)

GNU binutilsに含まれる、ELF形式専用のリンカ。Ian Lance TaylorがGoogleの小規模チームとともにC++でゼロから書き起こし、2008年3月にGNU binutilsへ統合された(binutils 2.19で初リリース)。 #linker #build

開発動機・特徴

従来のld(BFDリンカ)は、a.out・COFFなど多様なオブジェクト形式をサポートするためBFDという抽象化レイヤーを介している。goldはELFのみに対応範囲を絞ることでBFD層を排除し、高速化を実現した。特にC++で書かれた大規模アプリケーションのリンク処理の高速化が主目的で、Taylorの研究発表によればld比で2〜5倍高速とされる。

対応アーキテクチャはx86、ARM、PowerPCなど複数。ライセンスはGPLv3。

現在の状況

開発は停滞しており、2025年2月リリースのbinutils 2.44でデフォルトのソース配布から除外され、別パッケージに切り出された。binutilsのリリースノートでは「ボランティアが開発・保守を引き継がない限り、最終的に削除される」非推奨扱いとされている。背景としてGoogle社内の関心がmoldやLLVM lldといった後発の高速リンカ側へ移行したことが挙げられている。

出典

作成日時: 2026-08-16 18:19 / 更新日時: 2026-08-16 18:19