ミイデラゴミムシ

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高温ガスを噴射して身を守る甲虫。いわゆる「ボンバルディアビートル(bombardier beetle)」の一種で、学名はPheropsophus jessoensis

分類・形態

コウチュウ目オサムシ上科ホソクビゴミムシ科。体長約1.5〜1.8cm。黄褐色の地に黒(褐色)の斑紋があり、鞘翅に9本の縦筋がある、ゴミムシ類としては大型で派手な見た目。

ガス防御の仕組み

捕まえたり刺激すると、腹部末端から「プッ」という音とともに100℃以上のガスを爆発的に噴射する。腹部内でハイドロキノンと過酸化水素を別々の貯蔵庫に溜めておき、攻撃を受けた瞬間に両者を混合・酵素反応させることでベンゾキノンと水蒸気を高温高圧で噴出する仕組み。俗称は「ヘッピリムシ(屁放り虫)」。

名前の由来

「ミイデラ」は滋賀県大津市の三井寺(園城寺)に由来するという説がある。三井寺の円満院門跡に、鳥羽僧正筆とされる絵巻物「放屁合戦」が伝わっており、これにちなんで「三井寺歩行虫」と名付けられたのではないかと考えられている。

生態

  • 1齢幼虫はケラ(オケラ)の卵しか食べないという極端に特殊な食性を持つ。土中でケラの卵塊に入り込んで育つ。
  • 成虫は夜行性で、小昆虫やミミズ、動物の死骸などを捕食する(ひどく腐敗したものは避ける)。
  • 市街地から低山地にかけての湿った場所に多い。分布は北海道から奄美大島、朝鮮半島、中国まで。
  • 出現期は4〜10月、産卵は6月中旬〜7月下旬。

カエルに食べられても生きて脱出する

杉浦真治氏らの研究(2018年, Biology Letters)によると、ヒキガエル類に丸呑みされたミイデラゴミムシは、胃の中でも例のガスを噴射し、カエルに嘔吐させて生きたまま脱出することが確認されている。

  • ニホンヒキガエルでは約34.8%、渓流性のタゴガエルに近縁な種では約57.1%が嘔吐した。
  • 脱出までの時間は12〜107分。
  • 吐き出された個体は全て生存・活動していた。
  • 体が大きい個体ほど脱出成功率が高い傾向があった。

出典

作成日時: 2026-08-09 14:29 / 更新日時: 2026-08-09 14:29