大阪急性期・総合医療センターランサムウェア事案(2022年)
大阪市の総合病院、大阪急性期・総合医療センターがランサムウェア被害を受けた事案。ずさんな管理体制が事後の報告書で明らかになったことで知られる。
経緯
2022年10月31日、院内の電子カルテシステムに障害が発生し、ランサムウェア攻撃による障害として公表された。電子カルテなどが暗号化され、外来診療や各種検査の停止を余儀なくされた。
侵入経路とずさんな管理体制
侵入口は給食委託事業者が使用していたVPN装置。この装置は脆弱性が放置されていた。加えて、同センターではユーザー全員に管理者権限を付与し、複数のサーバーやPCで共通のID・パスワードを使い回すなど、管理体制のずさんさが事後の報告書で指摘された。
復旧の経過
- 2022年11月9日: オフラインバックアップデータから電子カルテを参照可能に
- 2022年11月22日: 全端末(2,200台)の初期化開始
- 2022年12月12日: 基幹システム(電子カルテ、オーダーリング、医事会計等)再稼働
- 2023年1月10日: 部門システム再稼働
- 2023年1月11日: 診療機能が完全復旧
初動から全面復旧まで約2カ月半を要した。
国内ランサムウェア被害事例の中での位置づけ
VPN機器の脆弱性放置が侵入経路になった点は半田病院の事案と共通する。取引先(給食委託事業者)経由での侵入という点は小島プレス工業の事案とも通じる、サプライチェーン経由の被害。
出典
- ランサムウエア起因による大阪急性期・総合医療センターのシステム障害についてまとめてみた - piyolog
- 全員に管理者権限、パスワードは全部共通、脆弱性は放置…… ランサム攻撃受けた大阪急性期・総合医療センターのずさんな体制 - ITmedia NEWS
- 大阪急性期・総合医療センターへのランサムウェア攻撃に関する報告書「誤った閉域網神話によるセキュリティ意識の薄れ」指摘 | ScanNetSecurity