Chainguard

ソフトウェアサプライチェーンセキュリティを事業とする米国企業。「distroless的な最小構成の硬化コンテナイメージを、毎晩ソースからビルドし直して配る」ことを主軸に、OSSアーティファクトを再ビルドして提供する。 #security #supply-chain-attack #container

創業の経緯

2021年10月、Google出身の Dan Lorenc(CEO)、Matt Moore(CTO)、Kim Lewandowski(CPO)、Ville Aikas、Scott Nichols の5人が創業。創業チームはGoogle在籍時に SigstoreSLSA、Knative、Tekton といったプロジェクトを作っていた面々で、SolarWinds事件によってサプライチェーン攻撃が経営課題として認識された直後というタイミングだった。

資金調達は2025年4月のSeries Dで3.56億ドル(バリュエーション35億ドル)、その後General Catalystからの2.8億ドルを含め累計8.92億ドル。従業員600人超。

中核となる発想

「入っていないものは脆弱性になりようがない」。python:3.12 のような一般的な公式イメージにはアプリと無関係なOSコンポーネントが大量に入っており、スキャナが延々とCVEを報告し続ける。Chainguardの答えは、必要最小限のものだけを含むイメージを毎晩最新ソースからビルドし直すことで、この「パッチ当ての踏み車(patching treadmill)」から降りるというもの。

製品ラインナップ

製品 内容
Chainguard Containers 主力。3,000超のリポジトリ。cgr.dev から配布、一部はDocker Hubにもミラーされている
Chainguard Libraries Maven Central / PyPI / npm の代替。Java・Python・JavaScriptのライブラリをソースからビルドし直して配る
Chainguard VMs コンテナホスト用のVMイメージ。Early Access
Chainguard OS Packages Containersを構成しているapkパッケージ群への直接アクセス(30,000超)
Chainguard Actions 硬化されたCI/CDワークフロー(GitHub Actions)のカタログ。ベータ
Chainguard Agent Skills AIエージェント向けskillを取り込んで検証・硬化する。クローズドベータ

イメージの土台になっているのが Wolfi、その上でパッケージをビルドするのが melange、イメージを組み立てるのが apko という構成。この3つはOSSとして公開されている。

Chainguard Factory

内部のビルド基盤。CVEフィードやアップストリームのリポジトリを継続監視し、「あるべき状態」と「実際の状態」の差分をボットが自動で埋める reconciler モデルを取る。ボットが詰まった場合はAIエージェントへ段階的にエスカレーションされる。成果物には SLSA Build Level 3、Sigstore署名、ビルド時生成の SBOM が付く。

価格体系

  • 無料(Starter): 1組織あたり最大5イメージ。latest 系タグのみで、過去バージョンやEOL版は使えず、CVE修正のSLAもない。
  • Per Image: バージョン別タグ(Python 3.10〜3.14のような)、Critical CVEは7日以内という契約SLA、EOL後6ヶ月の猶予期間、FIPS対応版など。
  • Catalog: 10人チームで年19,000ドルから。2,000超の全イメージ、カスタムイメージ組み立て、プライベートパッケージなど。

無料で使える範囲

無料枠が5イメージなので、本番環境の全面採用にはまず有料契約が必要になる。一方で Wolfi・apko・melange はApache-2.0のOSSであり、chainguard/wolfi-base を起点に自分でイメージをビルドする道は無料で開かれている。

出典

作成日時: 2026-09-02 20:50 / 更新日時: 2026-09-02 20:50