メモリLCD(MIP: Memory-in-Pixel)

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各画素に1bitのSRAMを埋め込んだ反射型液晶ディスプレイ技術。画素が自分の状態を記憶しているため、通常の液晶のように60Hzで画面全体をリフレッシュし続ける必要がなく、変化した画素だけを書き換えればよい。静止画表示時の消費電力はマイクロワット級で、STN液晶の1/40〜1/80、アクティブマトリクスTFT液晶の1/1000程度とされる。

シャープが「Memory LCD」の名称で展開しているほか、JDI(Japan Display Inc)もMIPディスプレイを製造している。

特性

  • 反射型(transflective): バックライトなしで環境光を反射して表示する。直射日光下ほど見やすい。暗所用に補助バックライトを組み合わせる製品が多い。
  • 常時表示向き: 静止画の維持がほぼ電力ゼロなので、スマートウォッチの「常時表示+週〜月単位のバッテリー」が成立する。
  • 書き換えが速い: 18fps程度の描画ができるため、アニメーションやスムーズなUIが可能。ここが電子ペーパー(電気泳動方式)との大きな違い。

電子ペーパーとの違い

体験(常時表示・長時間バッテリー・日光下で読める)が似ているため「e-paper」と呼ばれることがあるが、原理は液晶であり、E Inkのような双安定性はない。電源を完全に切ると表示は消える(表示維持にはSRAMを保持する微小電力が必要)。逆に電気泳動方式が苦手とする高速書き換えができるため、「ほぼ静止画だが時々滑らかに動かしたい」ウェアラブル用途に向く。

採用例

  • Pebble — 「e-paperディスプレイ」とマーケティングされていたが、実体はシャープのメモリLCD。
  • GarminのFenix / Forerunner / Instinct / Enduroシリーズ — 白黒はシャープ製、カラーはJDI製のMIPを採用し、週単位のバッテリー持ちを実現している(近年はAMOLEDモデルへの移行も進む)。
  • シャープは2022年にウェアラブル向けの64色メモリLCDを発表している。

出典

作成日時: 2026-08-15 07:19 / 更新日時: 2026-08-15 07:19