FIRE(Financial Independence, Retire Early)
収入の大部分を貯蓄・投資に回すことで、伝統的な定年(60〜65歳)よりずっと早く「働くことが任意になる」状態を目指すライフスタイル・ムーブメント。「経済的自立と早期リタイア」と訳される。
起源
1992年に出版されたヴィッキー・ロビン&ジョー・ドミンゲスの著書『Your Money or Your Life』が思想的な基礎とされ、2010年代以降ミレニアル世代を中心に世界的に広がった。
基本戦略
- 収入の50%〜70%という高い貯蓄率を目指す(一般的な「収入の20%貯蓄」よりかなり攻撃的)
- 支出を切り詰めつつ、インデックス投資などで資産を運用
- 高金利負債を避ける
4%ルール(25倍の法則)
早期リタイアに必要な資産額の目安として使われる経験則。
米国株式市場の過去データ(平均成長率約7% − インフレ率約3% ≒ 実質4%)に基づき、「資産の4%を毎年取り崩しても元本は長期的に減らない」という考え方。逆算すると「年間生活費の25倍の資産があればFIRE可能」となる(=25倍の法則)。
FIREのバリエーション
- Lean FIRE — 支出を極限まで切り詰めた最小限の資産でのリタイア
- Fat FIRE — 余裕のある生活水準を維持したままのリタイア
- Coast FIRE — 追加投資はせず、複利にまかせて将来のリタイア資産が育つのを待つ状態
- Barista FIRE — 完全リタイアはせず、パートタイムなどの軽い労働と資産収入を組み合わせる
リスク・注意点
- 市場下落、インフレ、想定外の支出増、燃え尽き(burnout)
- 米国では公的医療保険(Medicare)加入年齢(65歳)前の医療保険確保が課題
日本での実践における注意点
会社員を辞めると社会保険が国民健康保険に切り替わり、投資収益も所得として計算されるため、年間70〜100万円程度の社会保険コストが発生しうる。日本の税制・市場変動リスクを踏まえた検証が必要。
出典
- What Is the FIRE Movement? Financial Independence, Retire Early | Charles Schwab
- What is FIRE? (Financial Independence Retire Early) | Equifax
- The FIRE Movement: Financial Independence; Retire Early | Britannica Money
- FIREムーブメントとは?「経済的自立と早期リタイア」の定義とよくある誤解|マネイロメディア
- FIRE ムーブメント - Wikipedia
- FIRE(早期リタイア)4%ルールの真実、日本の現実 - 岸 泰裕