デンキウナギ
南米のアマゾン川・オリノコ川流域に生息する強い電気を発生させる淡水魚。
分類 — 実は「ウナギ」ではない
名前に「ウナギ」と付くが、ウナギ目(Anguilliformes)とは近縁ではない。分類上はデンキウナギ目という独立したグループに属し、これはナマズ目と姉妹群の関係にあり、コイ目のカラシン類に近い骨鰾上目(こつひょうじょうもく)というグループに含まれる。姿がウナギに似ているための通称にすぎない。
従来1種とされてきたが、2019年に形態・分子遺伝学的解析により3種に再分類された(Electrophorus electricus、E. varii、E. voltai)。このうちE. voltaiは最大860Vという、生物として知られる中で最も強い放電を発生させることが確認されている。
発電の仕組み
体の後方約80%を占める尾部に、筋肉細胞が変化した「発電細胞(electrocyte)」が電池を直列につないだように並ぶ構造を持つ。3つの発電器官を使い分けている。
- メイン発電器官: 300V超(最大860V)の高電圧を捕食・防御用に発生。
- ハンター器官: 約10Vの低電圧を、獲物の位置探知(電気定位)やコミュニケーションに使用。
- サックス器官: 約30Vの中電圧(機能は未解明な部分もある)。
原理としては、神経系と同じイオン濃度勾配(イオンチャネル・イオン輸送体)を利用して電気を発生させている。
生態・捕食
夜行性で、昼間は物陰に潜み、夜になると活動して小魚・カエル・甲殻類などを捕食する。獲物に電気ショックを与えて瞬時に麻痺させてから捕らえる。