Password Hashing Competition
2013年に発表された、パスワードハッシュ関数の推奨標準を選定するためのオープンコンペティション(通称PHC)。AES(Advanced Encryption Standard)選定プロセスやNISTのハッシュ関数コンペティション(SHA-3選定)をモデルにしつつ、NISTのような公的機関ではなく暗号学者・セキュリティ実務者が直接主催した点が特徴。
経緯
2015年7月20日、最終的な優勝アルゴリズムとしてArgon2が選出された。Argon2はルクセンブルク大学のAlex Biryukov、Daniel Dinu、Dmitry Khovratovichによって設計された。優勝と同時に、Catena・Lyra2・yescrypt・Makwaの4方式が特別表彰(Special Recognition)を受けている。
パスワードハッシュアルゴリズムの中での位置づけ
このコンペティションの優勝を経て、Argon2(特にそのハイブリッド版であるArgon2id)は事実上のデファクトスタンダードとしての地位を確立した。競技参加作の多く(scryptから派生したyescryptなど)もメモリハード関数の設計を踏襲しており、PBKDF2(PBKDF2)やbcrypt以降の「メモリハード関数」路線を後押しした競技という位置づけになる。