OSI (Open Source Initiative)
「オープンソース」の定義(Open Source Definition, OSD)を管理し、ライセンスがそれに適合するかを審査・承認する非営利団体。1998年2月にEric RaymondとBruce Perensが設立した。あるライセンスが「オープンソースライセンスかどうか」の事実上の判定主体であり、SSPLやBSLが「source-availableでありオープンソースではない」とされる根拠もここにある。
設立の経緯
- 1998年1月のNetscapeによるブラウザのソース公開(後のMozilla)を機に、「free software」よりも企業に受け入れられやすい用語として「open source」を推進する動きが起こった。語自体はChristine Petersonの発案
- Eric Raymondが初代presidentに、Bruce Perensがvice-presidentに就任
- 「open source」という語そのものは商標として確保できなかったため、「OSDに適合しOSIが承認したライセンス」という運用が事実上の基準として機能している
Open Source Definition (OSD)
Bruce Perensが起草し1997年にDebianプロジェクトが採択したDebian Free Software Guidelines (DFSG)から、Debian固有の記述を除いて作られた10項目の基準。主なもの:
- 第1項: 自由な再頒布(販売・無償配布を制限しない)
- 第2項: ソースコードの入手可能性
- 第3項: 派生物の作成・再頒布の許可
- 第5項: 個人・グループへの差別の禁止
- 第6項: 利用分野(fields of endeavor)への差別の禁止 — 商用利用やサービス提供など特定の使い方を制限してはならない
- 第7項: ライセンスは再頒布先にも自動的に適用される
第6項が実務上の試金石で、SSPLは「サービス提供という利用分野への差別」としてこの項に反するとされ承認されなかった。本番利用自体を制限するBSLも同様にオープンソースには該当しない。
FSFの自由ソフトウェア定義との関係
FSFは「4つの自由」(実行・研究改変・再頒布・改変版の再頒布)で自由ソフトウェアを定義する。OSDとはほぼ同じライセンス群を認める結果になるが、FSFが倫理・思想(ユーザーの自由)を軸にするのに対し、OSIは開発手法としての実利を前面に出すという立場の違いがある。
Open Source AI Definition (OSAID)
2024年10月に、AIシステム向けの定義OSAID 1.0を公開した。学習データそのものの公開を必須とせず「データに関する十分に詳細な情報」で足りるとした点をめぐり、「オープンソースの基準を緩めた」という批判と「現実的な妥協」という擁護で論争になった。
ソフトウェアライセンスの中での位置づけ
個々のライセンスではなく、「何がオープンソースか」の線引きをする審判役。source-availableライセンスの隆盛は、この線の外側で商用OSSベンダーが生存戦略を模索している現象と言える。