Orca
複数のAIコーディングエージェント(Claude Code、Codex、OpenCodeなど)を並列に走らせるためのデスクトップアプリ。開発元のStably AI(Y Combinator出資のスタートアップ)はこれをIDEではなく ADE (Agent Development Environment) と呼んでいる。人間がエディタでコードを書く場所ではなく、エージェントに仕事を割り振って結果を検証する場所、という位置づけ。
- リポジトリ: stablyai/orca — MITライセンス、TypeScript(Electron)製
- macOS / Windows / Linux 対応。
brew install --cask stablyai/orca/orca、Arch Linuxはyay -S stably-orca-bin - キャッチコピーは “The AI Orchestrator for 100x builders”
Parallel Worktrees
中核機能。タスクごとに本物の git worktree を自動作成し、それぞれが独立したディレクトリ・エージェントターミナル・ブラウザタブを持つ。エージェント同士が同じ作業ツリーを踏み合わないよう、環境を物理的に隔離するアプローチ。
1つのプロンプトを複数のエージェントに同時に投げ、出てきた差分を見比べて良かったものだけをマージする、という使い方ができる。エージェントの出力が非決定的であることを前提に、「1回の実行を丁寧に見る」のではなく「複数回の実行から選ぶ」方向に倒した設計。
25以上のCLIエージェントに対応する。Claude Code、Codex、Cursor CLI、GitHub Copilot、Gemini、Cline、OpenCode、Amp、Gooseなど。
Design Mode付き内蔵ブラウザ
Chromiumベースのブラウザを内蔵していて、表示中のUI要素をクリックするとそのHTML・CSS・切り抜いたスクリーンショットをそのままエージェントへのプロンプトに差し込める。フロントエンドの手直しを「この要素をこうして」と指示する形で回せる。
その他の機能
- GitHub / Linear連携(PR・Issue・プロジェクトボードをアプリ内で扱う)
- SSHリモートworktree — 手元のGUIから、リモートマシン上でエージェントを走らせる
- iOS / Androidのコンパニオンアプリ。外出先からエージェントの様子を見て指示を返せる
- WebGLベースのターミナル(Ghostty系)によるペイン分割
herdrとの違い
同じ「複数エージェントの並列運用」を扱うため代替として名前が挙がるが、解いている問題は別。
| Orca | herdr | |
|---|---|---|
| 形態 | GUIデスクトップアプリ | ターミナル内で動く単一バイナリ(tmux代替) |
| 主眼 | タスクごとの環境隔離(worktree自動生成)と差分比較 | 常駐サーバーによるセッション永続化とペイン状態の可視化 |
| リモート | SSHリモートworktree | SSH越しにそのまま使える。切断してもエージェントは走り続ける |
「実装作業はOrca、サーバー上の長時間タスクはherdr」のような使い分けや、役割が重なるのでどちらか一方に寄せる、といった評価が見られる。ターミナル中心の運用ならherdr、Codex Desktop Appのような操作感を求めるならOrca、という整理がわかりやすい。
出典
- stablyai/orca - GitHub
- Orca とは|AI コーディングエージェントを並列で使い倒す Agent IDE の用途と使いこなし - FIXIT
- herdr とは|AI エージェントを常駐させる tmux 代替。使い方と Orca / cmux との違い - FIXIT
- Orca 実践ガイド: Claude Code や Codex を並列運用する ADE の使いこなし術 - TECHSCORE BLOG
- Orca vs Herdr: task isolation or live terminal control - max_tokens