Hyprland

Vaxryが開発する、C++で書かれた独立系のダイナミックタイリングWaylandコンポジタ。2022年に最初のリリース、BSD-3-Clauseライセンス、リポジトリはhyprwm/Hyprland。公式サイトはhypr.land

設計上の立ち位置

タイリングウィンドウマネージャは操作効率と引き換えに見た目が素っ気なくなりがちだが、Hyprlandはアニメーション・ブラー・角丸・グラデーションボーダー・シャドウといったeye candyを最初から一級の機能として持つ点を売りにしている("a dynamic tiling Wayland compositor that doesn’t sacrifice on its looks")。

主な機能

  • ダイナミックタイリング — dwindle / master / monocle など複数のレイアウト。0.54(2026年2月)以降はワークスペース単位・モニタ単位で別々のレイアウトを設定できる。
  • フローティングウィンドウ、ウィンドウのグループ化(タブ化)、special workspace。
  • ソケットベースのIPChyprctlから状態取得・制御ができ、外部のバーやスクリプトから叩ける。
  • 設定ファイルのライブリロード。
  • プラグインAPI — C++で書くプラグインと、そのプラグインマネージャ(hyprpm)。
  • ゲーム向けのtearing対応、タッチパッドジェスチャ、IME/インプットパネル対応。

wlrootsからの独立とAquamarine

当初はwlroots上に構築されていたが、0.42.0(2024年)でwlrootsを外し、自前のレンダリングバックエンドライブラリAquamarineへ移行した。wlrootsのミニマリスト志向な設計が、独自のレンダリングパイプラインやハードウェアアクセラレーションによるブラーといった機能と相性が悪かったことが理由とされる。現在は「100% independent, no wlroots, no libweston, no kwin, no mutter」を標榜している。

Aquamarineはwlrootsの代替を狙ったものではなく、KMS/DRMなど低レベルのレンダリング・入力バックエンドだけを実装する軽量ライブラリ。レンダリングAPI(Vulkan/OpenGL)には非依存で、C++専用(他言語バインディングなし)。Waylandプロトコル自体は引き続きサポートされるため、wlroots前提のツール類が動かなくなるわけではない。

エコシステム

hypridle(アイドル検出)、hyprlock(ロック画面)、hyprpaper(壁紙)、hyprpicker(カラーピッカー)など、hypr接頭辞の周辺ツール群が同じhyprwm organizationで開発されている。ただしOmarchy 4はこれらのうちhyprlock/hypridleをQuickshellベースの実装に置き換えている。

リリース状況

0.55が2026年5月9日、0.56系の安定化リリースとして0.56.2が2026年8月5日にリリースされている。

Omarchyとの関係

Omarchyがデスクトップの中核コンポジタとしてHyprlandを採用しており、2026年8月にOmacom FoundationがHyprlandの独占スポンサーに就いた。

出典

#linux #wayland #hyprland #cpp

作成日時: 2026-09-01 23:23 / 更新日時: 2026-09-01 23:23