MITRE ATT&CK
実際のサイバー攻撃事例の観測に基づいて、攻撃者の戦術・技術・手順(TTPs: Tactics, Techniques, and Procedures)を体系化した、誰でも参照できるナレッジベース。米国の非営利団体MITREが管理している。ATT&CKは Adversarial Tactics, Techniques, and Common Knowledge の略。
構造
- Tactics(戦術) — 攻撃者が達成しようとする目的。「なぜその行動をするのか」に当たる。初期アクセス(Initial Access)、実行(Execution)、永続化(Persistence)、権限昇格(Privilege Escalation)、横展開(Lateral Movement)、情報持ち出し(Exfiltration)など。
- Techniques(技術) — 各戦術を「どうやって」達成するかの具体的な手法。Enterprise向けマトリクスには185のテクニックと367のサブテクニックが登録されており(2026年時点)、継続的に追加されている。
戦術を列、技術を行としたマトリクス形式で整理されており、攻撃の一連の流れを標準化された語彙で記述できる。
使われ方
- インシデント対応で「何が・どのように起きたか」を標準化された用語で共有する
- 脅威ハンティングの仮説駆動型アプローチで、「このテクニックの痕跡が自環境にないか」という仮説の元ネタにする
- EDR等の検知能力の評価・ギャップ分析(どのテクニックを検知できるか)に使う
- レッドチーム演習・ペネトレーションテストの攻撃シナリオ設計に使う
セキュリティ運用の中での位置づけ
防御側(検知評価・ハンティング仮説)と攻撃側視点の検証(レッドチーム・ペンテスト)の双方が共通語彙として参照する知識体系。
出典
- What is the MITRE ATT&CK framework? | Microsoft Security
- MITRE ATT&CK Framework | Wiz
- What Are MITRE ATT&CK Techniques? | Palo Alto Networks