ZTD (Zen to Done)
Leo Babautaが提唱した個人向けタスク管理手法。GTDをベースにしつつ、「システム」ではなく「習慣」を主役に据えて簡素化したもの。ブログ Zen Habits および電子書籍『Zen To Done』で公開されている。 #productivity #task-management
GTDへの問題意識
Babautaは、GTDが優れた手法であることを認めた上で、次のような点を挙げて組み替えている。
- 一度に変える習慣が多すぎる — GTDは複数の習慣を同時に採用することを求めるため、定着しにくい。
- “doing"への焦点が足りない — システムの構築・維持に時間を取られ、実行そのものが後回しになりがち。
- 構造が緩い — 柔軟性の裏返しとして、方向性を自分で決めるのが苦手な人には何をすべきか分かりにくい。
- 拾いすぎる — inboxに入ってきたものを全部対象にするため過負荷になる。
- 目標との接続が弱い — ボトムアップで積み上がるので、大きな目標に照らした優先度が曖昧になる。
10の習慣
- Collect — 気になることをノートに書き出して頭から出す
- Process — 1日1回以上inboxを空にし、その場で判断する
- Plan — 週の大きな目標と、その日のMIT (Most Important Tasks、3つ以下) を決める
- Do — 1つのタスクに集中し、気を散らすものを断つ
- Simple Trusted System — 文脈別のリストをシンプルに保つ
- Organize — すべてを定位置に置く
- Review — 週次でシステムと目標を見直す
- Simplify — タスクと目標を本質的なものに絞る
- Routine — 朝・夜・週次のルーチンを作る
- Find Your Passion — 好きな仕事を探し続ける
ポイントは、これらを一度に全部やろうとせず、1つずつ (多くても2〜3個ずつ) 30日程度かけて身につけていく点。最小構成の “Minimal ZTD” として、Collect / Process / Plan / Do の4つだけを取り出す形も紹介されている。
GTDとの違い
- GTDが「次の行動を機械的に取り出せる仕組み」を作るのに対し、ZTDは「毎日それを回す習慣」を作ることに重心を置いている。
- PlanにあるMIT (その日の最重要タスクを3つ以下に絞る) は、GTDには無い明示的な優先順位付けの装置。GTDのnext actionsリストが平坦に伸びていく問題への回答になっている。
- Simplifyの習慣で「そもそも拾わない」判断を積極的に行う点も、まず全部captureするGTDとは方向が違う。
一方で、GTDを既に読んだ人にとっては目新しさが少ない、という評もある。
個人生産性メソッドの中での位置づけ
実行系の全体ワークフロー。GTDと同じ守備範囲を、より軽い形で置き換えようとする位置にある。