DevOps
Development(開発)とOperations(運用)を組み合わせた造語。両チームの壁を取り払い、ソフトウェアの計画・開発・テスト・デプロイ・運用を継続的かつ協調的に行う文化・実践の総称。
起源
- 2008年、ベルギー人コンサルタントのPatrick Deboisがトロントの Agile Conference で Andrew Clay Shafer と出会い、「agile systems administration」という概念を探求し始めた。両者とも、Agileの理想(開発の高速化)が運用側の壁で頭打ちになっている現状に問題意識を持っていた。
- 転機は2009年、Velocity ConferenceでFlickrのJohn AllspawとPaul Hammondが行った講演「10+ Deploys per Day: Dev and Ops Cooperation at Flickr」。両者は開発と運用の対立を描き、「アプリケーション開発と運用は、シームレスで透明かつ完全に統合されているべきだ」と主張した。
- この講演の映像を見たDeboisが感銘を受け、自らベルギー・ゲントで「Devopsdays」という独自カンファレンスを開催(2009年)。これが"DevOps"という名前が定着するきっかけとなった。
- 背景には、開発と運用が別チームで縦割りになっているウォーターフォール的な体制への不満があった。開発者が作ったものを運用に「投げる」ことで、コミュニケーション不足・遅延・障害が頻発していた。
CALMSフレームワーク
「The DevOps Handbook」共著者のJez Humbleが提唱した、DevOps成熟度を測る5つの柱。
- Culture(文化) — ツールや自動化より前に、開発とOpsが協働する文化そのものが土台。
- Automation(自動化) — CI/CDやテストなど手作業の自動化。
- Lean(リーン) — 仕掛かり作業(WIP)の最小化・作業の可視化など、ムダを省き価値の流れを最適化。
- Measurement(計測) — デプロイやプロセスに関するデータを収集し、改善点を把握する。
- Sharing(共有) — 知識がサイロ化せず、チーム間で自由に流通する状態を作る。
関連する拡張・派生
- DevSecOps — DevOpsに「セキュリティ」を明示的な第3の柱として組み込む拡張。
- Platform Engineering — DevOpsの理想「You build it, you run it」を全開発者に求めるのは難しく、多くの組織で開発者がインフラ管理に忙殺される「Shadow Ops」状態が発生する。運用の専門性をプラットフォームチームに集約し、開発者からは抽象化して隠すことでこのギャップを埋める実践。
- トイル — Shadow Opsで開発者に集中してしまう手作業・反復的な運用作業は、Google SREが言う「トイル」そのもの。
出典
- The Origins of DevOps: What’s in a Name? - DevOps.com
- A Brief History of DevOps - BMC Software
- CALMS Framework - Atlassian
- What is CALMS for DevOps? - TechTarget