Proton
Valveが開発する、Windows向けソフトウェア(主にゲーム)をLinux上で動かすための互換レイヤー。2018-08-21に初版がリリースされた。CodeWeavers社との協力のもと、Wineをベースにいくつかのライブラリを組み合わせて構成されている。
構成コンポーネント
- Wine — Windows APIコールをその場でPOSIX互換の呼び出しに変換する互換レイヤー。Protonの基盤。
- DXVK — Direct3D 9/10/11をVulkanに変換するレイヤー。Philip RebohleとJoshua Ashtonが開発し、両者ともValveに雇用されてProton開発に従事している。
- VKD3D-Proton — Direct3D 12をVulkanに変換するレイヤー。Józef Kuciaが元プロジェクトを立ち上げ、Hans-Kristian Arntzenらが開発を継続。ValveはこれをフォークしてProtonの全ビルドに同梱している。
- FAudio — Microsoft XAudio2の再実装。
Steam Playとの関係
Protonはユーザー向けにはSteamクライアントに統合されたSteam Play機能として配布されている。バージョン番号は基となるWineのバージョンを参照し、パッチ番号が付加される形式(例: 11.0-1)。2020年12月には継続的ベータ版のProton Experimentalが登場し、新機能をより早く取り込めるようになった。
Steam Deck/SteamOSでの位置づけ
SteamOS・Steam DeckでのWindowsゲーム互換性を支える中核技術。
GE-ProtonとProtonDB
- 公式Protonに未マージのパッチを先行して取り込むコミュニティフォークGE-Protonが存在し、Lutrisなど公式Steam以外のランチャーで広く使われている。
- コミュニティ主導のProtonDBサイトでは、Windowsゲームごとの動作互換性が「Borked」〜「Platinum」のスケールで集約・共有されている。
Lutrisでの利用
Lutrisは2026年、GE-ProtonをUMU(umu-launcher)経由で起動する方式をデフォルトにし、GE-Protonを常に最新の状態に保てるようにした。